初生け込み終わりました / Sushi Hayakawa 様
アトランタのベスト・オブ・スシといえば DoravilleのSushi Hayakawaさんだと思う。裁判所で入籍した夜に訪れて 初めてカウンター越しに 早川さんとお話をしたとき、心意気というか 同じ日本人で誇りをかけてお寿司を握っている人なんだなぁと思った。アトランタ生活ガイドブックもいただいた。
アトランタは 大きな街だけど 本格的で洗練された 日本食のお店は多くはなくて、中でもSushi Hayakawa は決して 低予算で立ち寄れるお店ではない。日本料理といっても、豊洲市場から送られてくる魚で握る お寿司がメインのお鮨やさん。食材本来の味を感じてもらうため 香水やコロンはお断り。徹底したルールもあるけど お客様は Sushi Hayakawaをリスペクトしている。
そんな 早川さんに お正月の店内に設える生け花のオファーをいただいた。
いいんですか!? 一生懸命やります。
お正月は 日本人にとって とても大切な季節。どうしたら日本のお正月をお祝いするお飾りを作れるのか、そもそもお正月の飾りってなんだっけな、どこで日本らしい材料が揃うのか。クリスマスは山に竹を取りに行って、しめ縄の土台になりそうな草を探して、クラフトやさんを回って、ネットショップで 花器を探して、あっ 白い石も手に入るならほしい、コメ、米束は一体どこで・・・。
ボツになった水引の飾り結びが家に転がってる。
慣れないことは大変だ。しめ縄を編んだことも、門松を切ったこともなかったから、これをこうしてああして、とスムーズにいかない。前日、花の卸市場で 木瓜(japanese quince)と葉牡丹(ornamental cabbege)を買って帰り、家で水切りしながら枝を選んだ。四角い剣山で 生花できるかな?
そんな風に準備した初めての生け込みでは、 得たものが とても大きかった。年始の仕込みで忙しかったはず、早川さんはつきっきりで見ててくださり きっちり しっかり 褒めていただいて、もちろん とても嬉しくて なんでこんなに感動するほど嬉しいんだろうと考えた。
そして夜 京都の先生に報告をしながら ふと、普段自分が手間をかけること、愛を込めること、そして、ちゃんと誰かに対して真剣に喜んでもらいたいと物事に取り組んでいる人は、他人がやっている「心尽くし」に対して敏感に反応するものなんだ。
完璧なお正月かざりでなかったかもしれない、生花には程遠かったかもしれない、だけど その裏側を想像して 「いいね」と言ってくれる人がいるなら、それを誇りに感じてもいいんだな。もちろん技術や知識は 身につけていきたい。
さてしめ縄、出来上がってお店にかけさせていただいたんだけど、写真を見返せば見返すほど、なんかちょっとおかしい気もしてくる。しめ縄の土台だけは、今度帰国したときに アマゾン.jpで買うと決めた。