アトランタの花と季節感
冬の花市場に通って約3ヶ月。
花市場で売っている花のバリエーションと、私の季節に対するイメージがズレていることに気づき始めた。
日本人の好きな揺れる草系は さり気なさすぎて人気がないのか、
私の記憶の中では さり気なかったトラノオも 筋肉ムキムキアメリカ人並みに 何だかゴツくて硬い仕様。
花や実の付いた枝ものはそのほとんどが日本から輸入されたもので かなり高価だ。
イケてる花屋も そうでない花屋も 予想以上にブーケ、ブーケ、ブーケ。花市場では、上むきの花がたくさん 色別に並べてある。
アトランタの花と人の季節感。
2月のあたまには、花市場にヒマワリと紫陽花が並び始めた。
変だなと思ったけど、
冬は暖かくて 日本から持ってきたコートは着なかったこと、
3月初旬にさっさと桜が咲いて、この頃は30度を超える夏日ですでに麦わら帽子を被っていることを思い出して、
私のファッションが日本でのそれと違う様に、花の季節も日本とは違うんだね。
アメリカ人夫に「6月にイメージする花といえば何?」と聞いても「アジサイ」とは答えない。(「分からない」と答える。多分に6月の象徴的な花はないんだと思う。)
アサガオは小学生が必ず夏休みの宿題で育てる花だと言ったら「へぇぇ 見たことはあるけど名前は知らなかった」って言われる。
好きな花は?って聞くと、「ゴッホの描いた白い花」(調べたらアーモンド・ブロッサムらしい)。
日本人とアメリカ人の季節感は違うんだね。
ガーデナーでもなければ 季節=花ではないのかもしれない。
アメリカ南部のジョージア州、ここの人たちのペースで暮していると、日本で感じる新年の神聖さだとか、恵方巻きをみんなで頰張るとか、桜前線を気にするとか、目まぐるしく移り変わる季節の行事をうっかり忘れてしまう。
それでも’型にハマった’ 価値観で花を選びたいと思っているのは、アメリカナイズされたフュージョン料理ではない ’本来の’日本料理を食べたいと思う気持ちに似てるんだろうなぁ。
フラワーファームは、アトランタの気候と人たちの切り花との暮らしを観察するのに ぴったりな場所。
温室栽培はさて置き、気候にあって咲いてこその花だから、日々の気温を気にしながら
’日本らしい’花を植えていこうと思う。